あっという間に水星の魔女が終了してしまいましたね。
最終回は割とハッピーエンドでしたが、すべての話を結構しっかり観てきた立場からすると、ほんとうまくまとめたなという感じがします。
ぜひ、続編も検討してほしい素晴らしいストーリーだったかと思います。
様々な伏線を回収してハッピーエンド!
プロスペラのヘルメットの謎
プロスペラがなぜあのようなヘルメットを被っているのかという謎がついに明らかに。
既に右腕はGUNDによって置き換えられているとはいえ、プロローグではあのようなヘルメットは着用していませんでした。
プロスペラは、データストーム汚染が進んでおり、徐々に身体の自由が利かなくなっていった模様。
ガンダムに乗ることは身体を徐々に蝕んでいくという呪いが描かれている場面でもある。
ガンダム・キャリバーンとエアリアルの合体
23話で実質的にエアリアルに敗北したガンダム・キャリバーン。勝利したエアリアルは宇宙議会連合による惑星間送電システムによる最大出力ビームを防ぐために全力を尽くし大破。
その後、エアリアルを再起動するために、ガンダム・キャリバーンとスレッタによってスコアを上げることに。
クワイエットゼロにつないで再起動することも出来たが、それではクワイエットゼロによって多くの犠牲者が出てしまう。
それを避けるために、スレッタは自分がつらくなるのを覚悟で大量のパーメットを体に取り込む危険を承知でエアリアル再起動を成功させる。
エリクトもそんなスレッタを見て、協力することに決める。
その瞬間、エアリアルのガンビットがキャリバーンと合体し、スコア8を超える能力を発動するに至る。
VS宇宙議会連合
宇宙議会連合の攻撃の目的はベネリットグループを解体することなので、ベネリットグループが自分から資産を売却してしまえば、攻撃対象は存在しなくなるということ。
また、クワイエットゼロもパーメットが粒子レベルまで分解されたことで、消滅したため完全に対象を失った模様。
そして、さらに、クワイエットゼロや一連の騒動の責任をシャディクゼネリが被ることでプロスペラが処刑されずに済んだという話。
さらに強硬手段を使って惑星間送電システムのレーザーを照射しようとするが、キャリバーンのスコア8を超える力によって阻止されてしまう。
ガンドノードを使ってコントロールできるデータストームの空間を拡げようとするのと同じように、シュバルゼッテやファラクトを使って空間を拡張した。
ガンドノードよりも、ガンダムの方がその効力は高い気がするので、少数でも相当の拡散効果はあるのではないだろうか。
シャディクとミオリネの約束について
ミオリネがシャディクゼネリと面会した時に悪いようにしないからという話。
それが、ベネリットグループの資産を地球の会社に売却することでシャディクゼネリの本来の目的を達成する事であった。
地球が不当に搾取されている現状を解決するための方法として、シャディクゼネリの考えた通りのことをやってのけた。
取引ということなので、その代わり罪を被ってもらうということだろうか。
エランケレス4号
オルガノイドアーカイブという突然の専門用語が飛び出してきた模様。
エランケレス4号が登場して、スレッタと一緒にスコアを引き上げた感じ。
エアリアル本体が稼働することで、ビットステイブが動き出しキャリバーンと合体するきっかけを作ってくれた。
ここで、エランケレス4号が搭乗することで、やはり、シーズン1でペイル社によって処分されてしまったということになった。
伏線回収を兼ねている描写であり、嬉しさ半分悲しさ半分という感じでもあった。
スコア8を超える
エリクトよりも高いスコアを達成したスレッタ。
エリクトのスコアをより高いレベルに引き上げることが出来る存在がスレッタであった。
スレッタのおかげでエリクトはキーホルダーに移ることが出来たという面白展開に。
キーホルダーになったことで更に身体の自由が無くなってしまったのでより不便な気もするが、会話することが出来るようになった。
フォルドの夜明け団が壊したもの
ナジ・ゲオル・ヒジャがUSBメモリのようなものを破壊している描写がある。
奴から頼まれていたのかという問いかけに対してさあねと答える。
恐らくだが、シャディクゼネリとの繋がりを示すものではないかと思われる。
ただ、それだと、すでにケナンジアベリーによってフォルドの夜明け団とシャディクとのつながりはバレているのであまり意味ない気がする。
ただ他にはあまり思いつかないので、恐らくは繋がりを断つような内容になるだろう。
エランケレス本人
ペイル社代表4CEO達によって実質飼い殺し状態にあっていたエランケレス本人。
クワイエットゼロ消滅によって、エランケレス本人はペイル社を辞職することに。
おそらく、セセリアのいるブリオン社にヘッドハンティングされた模様。
学園の再建や再就職などいくつもの課題を解決した敏腕経営者という感じがする。
モビルスーツの操縦以外はなんでも優秀な人物なので当然という感じか。
あまり今作では活躍する出番が描かれてこなかったが、最後に大活躍したという感じがする。
プロスペラの葛藤
プロスペラはナディムやカルド・ナボ博士や同僚たちのを失った苦しみを抱えながら、エリーのために必死で生きてきた母親である。
彼女の目的は復讐ではなく、未来を選択していた。
というスレッタのセリフ。
本当か?
怨敵であるデリングを手に掛けるチャンスはいくつでもあったことは確かであろうが、それをしなかった。
ただし、クワイエットゼロをベネリットグループに作らせておき、それを乗っ取って自分の理想の実現のために利用したので復讐も兼ねての一石二鳥作戦だったのかもしれない。
とはいえ、目的はエリーのためというのは間違っていないので単純な復讐のために動いていたというわけではない。
そして、エリーのためという修羅の道を行く唯一の心の支えであるエリーの姿を再度見て、エリー自身の言葉でこれからはスレッタと母親と一緒にいたいと発言したことで、自分自身を赦すことが出来た。
ごめんねという意味は、プロスペラが自分でも自分の行動を止めることが出来なかったのだろう。
エリーが望んでいると信じて突き進んできたプロスペラ。
そんな母親のネガイを叶えてあげたいエリーというブレーキ役がいないコンビであったが、スレッタが変えてくれた。
3年後のそれぞれ
シャディク・ゼネリ
プラントクエタの罪にクワイエットゼロの罪も被って極刑を免れ無さそうなシャディクゼネリ。
どこか晴れ晴れとした表情をしておりやることはやったという感じか。
手錠や厳重な警備が敷かれているというわけではないので、極悪人という扱いを受けているわけではなさそう。
それでも、最後の別れ際にさようなら。という言葉がどことなく重たく聞こえるのは気のせいだろうか。
ただ、気になるのが、ミオリネ自体はそんな悲しい感じの表情をしていないというところ。
罪が罪だけに3年程度ではまとまらないということなのだろうか。
まだまだ取り調べが続きそうな感じの表情。
ペトラ
20話でがれきの下敷きになったペトラ。
放送当時は亡くなってしまったのか心配されたが、両足の切断という大けがを負ってしまってはいるが、GUND医療によって歩けるまでに回復している。
ペトラの隣にはラウダの姿があり、ずっと兄さんにべったりだった弟が随分と大人に成長している様子が描かれている。
ニカ・ナナウラ
イメチェンしたニカ・ナナウラ。
だいぶ雰囲気が変わったが当初話した通り、いったん学園を辞めたが、再度仕事をしながら自力で入学を果たした。
ニカは仕事をしているようで両立は大変といって言っていた。
株式会社ガンダムに入社しているわけではないと思われるので、どこか地球の会社なのかもしれない。
ケレスとセセリア
ブリオン寮に所属していたセセリア。
エランケレス本人はペイル社を辞める際にヘッドハンティングだといっていたので、恐らくヘッドハンティングしたのは、ブリオン社ということになりそう。
エランケレス本人は今までペイル社の4CEOの影に隠れる形になっており、なかなか活躍の機会を与えられていなかったが、ブリオン社に移ってからは、ジェターク社に対して新規事業を提案したり、学園の再建や従業員の再雇用を行うなどてきぱきと働いている。
書類作成はセセリアが行うなど、仕事のパートナーとしての相性は良さそう。
口達者なセセリアと頭のいいエランケレスによってグエルはだいぶ尻に敷かれている印象だが、うまく立て直していくだろう。
水星の魔女 総評
24話で完結した機動戦士ガンダム 水星の魔女。
全体的に個人的には、良くまとまったストーリーだったと思う。
学園モノであり、決闘がメインで殺伐とした雰囲気とは無縁と思われていたが、スペーシアンとアーシアンによる対立や構造的不和を描きつつ、シャディクゼネリといった外部とのつながりの深い学生によって、物語が単なる学園内での出来事を飛び越えてスケールの大きさが自然と出てくるような展開も往年のガンダムファンも観れる内容になっていたのではないかと思う。
また、ところどころに、過去作を彷彿させるシーンやギミックが用意されており、その点も面白かった。
ストーリーの原典として、シェイクスピアのテンペストを感じさせる内容も考察する側としては大いに楽しめた。
テンペストではキャリバーンがエアリアルとプロスペローに敗れてしまう結果もその通りになっているが、そこから、エアリアルとキャリバーンが合体して、共通の敵に対応して一つにまとまるという展開はありがちな展開ではあるけれど、それが王道で良かった。
最後は、単純にハッピーエンドというわけではなく、地球にばらまいた資産がまた宇宙に吸い上げられて元通りに戻っていく様を描くなど、まだまだこの世界には大きな課題が残されているという点に、ミオリネやグエルといった若き才能が取り組むべき課題が明示されている。
水星の魔女の続編やサイドストーリー、外伝はあるのか
水星の魔女の続編は制作されるのか、気になるところ。
今のところ、特段続編の発表はされていないが、もしあるとしたら下記の内容を取り上げていくのではないだろうか。
物語りから20年後くらいの話になっても面白そう。
地球と宇宙との格差の抜本的解決
巨大企業となったジェターク社とグエルを中心とした戦闘。
スレッタとミオリネとの子供。
基本的にはスレッタは既に戦闘に耐えうる身体ではなく、またグエルやミオリネを中心に物語をしても新鮮味に欠けるので、ここは思い切って、彼らの子孫たちを登場させた方が面白そう。
地球にばらまいた資産のおかげで地球から超高性能なガンダムが登場し、地球の資産を吸い上げる宇宙に対して、宣戦布告を行っていくのではないだろうか。
そして、その過程で、終身刑を言い渡されている、シャディクゼネリを解放する闘いを挑むというのも面白そう。
そこで、スペーシアンを代表するグエルとその息子が率いるジェターク社と対立するという流れ。
かつて父親に反発したりしたグエルも父親となり、自分の学園時代に思いをはせるというシーンは結構面白そう。
スレッタとミオリネは遺伝子の組み換えやらなんやらで二人の遺伝子情報を組み込まれた子供を生成または、養子を引き取って育てるという感じか。
ほかにも、外伝としては、プロスペラ側の心理描写を丁寧に描いた作品も良さそう。
プロスペラがなぜ自分を赦せないのか。
なぜ、最後にエリクトとスレッタに謝罪したのか。
うすうす間違っていると思いながらもクワイエットゼロを起動し大勢の人を巻き込んだ原動力についてもっと詳細に描かれても面白い気がする。
あとは大人気のチュチュ先輩というのもあるだろう。
とにかく、色々な展開を考えるだけでも結構面白い作品であったので、ぜひ、何かしらの形で再度復活してくれることを期待しています。